「不正競争防止法」について、法律監修をさせていただきました
「自社で管理していた顧客名簿をコピーした元従業員が、転職先の企業でその名簿を利用している」
「ライバル企業が、自社のシンボルになっている店舗外観と類似した外観の飲食店を開業している」
「外国で許可条件に違反していることを黙認してもらう見返りに、相手国の公務員へ賄賂を渡している」
自由競争社会だといっても、このようなズルいことを許してはなりません。
事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じる、これが不正競争防止法の目的です。
現在の不正競争防止法は、それまでの旧法を全面的に改正して平成5年に制定され、これまで何度か改正されていますが、弁護士の眼からみても有用な側面を持っています。
ライバル企業が不正なことをしていると知った場合、通常考えるのは、民法709条の定める不法行為に基づく損害賠償請求です。しかし、これではライバル企業の不正行為そのものを差し止めることができません。また、損害額の立証責任が自分にあってその負担は決して小さくありません。
ところが、不正競争防止法は、差止請求を定めており(第3条)、損害額の推定規定を置いています(第5条)。また、不正競争行為の類型によっては、懲役、罰金といった刑事的措置もあります。
こういった使える手段があるため、企業法務を取り扱う弁護士としても、不正競争防止法は重要な法律として認識しておかなければならないのです。
このコラムを読まれている事業者(企業)の方々には、不正競争防止法とはどのような法律なのだろうか、と興味を持たれている方がいらっしゃるでしょう。
そのようなニーズにお応えするため、当事務所の松渓 康弁護士が法律監修させていただき、株式会社インソース様から『不正競争防止法』解説動画が販売されることになりました。この動画では、不正競争防止法の違反行為とそれに対する民事的・刑事的措置を説明するとともに、いくつかの事例を挙げて事業者として対応すべきことを解説させていただいています。
まず簡単に不正競争防止法を知りたいとお考えの事業者(企業)にとっては、とても有益な内容になっています。ご興味のある方は、株式会社インソース様の「動画百貨店」ウェブサイトをご覧ください。