未払残業代の消滅時効

 令和2年4月1日以降に発生した未払残業代の時効期間は、2年から3年に変わっています。労働基準法115条で「2年間」と定められていたものが「5年間」に改正されているのですが、「当分の間」は「3年間」ということにされています(附則にある同法143条第3項)。

 あくまでも令和2年4月1日以降に発生した未払残業代についてのことですので、まだ実際の影響はありません。令和2年3月以前の残業代で受け取っていないものがある従業員の方は、早く請求されることをお勧めします。

 令和4年4月以降は、改正の影響が出てきます。場合によっては、付加金支払い(同法114条)を要することもありますので、企業経営者の方は、固定残業代制度の整備など早めの対策をお勧めします。