破産申立ての書類作成

 破産申立てを考えている方から、書類作成にどれくらいの時間と手間がかかるのか、と質問されることがあります。

 破産申立てをご依頼いただいてから、最も時間がかかるのが「家計収支表」の作成です。申立前2か月分につき、収入と支出をそれぞれ項目に分けて、作成していただく必要がありますので、これだけで2か月かかります。受任した弁護士は、その間に、債権者へ連絡して債権内容を調査し、「債権一覧表」の作成などを進めていることが多いと思います。

 ご依頼者が一番苦労されているのが、「報告書」の土台作成のようです。裁判所によっては、「陳述書」と呼んでいるところもあるようですが、京都地方裁判所では「報告書」と呼んでいます。「報告書」には、債務が増加して支払不能となり、今回破産申立てに至った事情を記載しなければなりません。この事情が分かりませんと、裁判所は本当に支払不能なのか確認できませんし、仮に免責許可になったとしても原因が分からないと立ち直ることは困難だからです。もっとも、ご依頼者にとっては、過去のことを思い出すのも辛い話で、弁護士から土台作成を求めてもなかなか筆が進まないようです。

 しかし、「報告書」は、上で述べたように、免責許可をするための重要な判断資料になります。受任した弁護士も、ご依頼者の過去までは分かりません。したがって、ご依頼者の方には簡単なメモレベルでも良いので「報告書」の土台を作成していただく必要があり、それがご依頼者の最大の手間ということになります。